フランス組曲 〜 書棚から、一冊
約1ヶ月前に、この本を読み終えました。
『フランス組曲』イレーネ・ナミロフスキ著 adelphi 出版
ピアノを弾くので(もちろん趣味)、
タイトルに惹かれて手に取りました。
内容はナチス占領下のフランス。
バッハは全く関係ありません。
しかしどうしても気になり、
昨年末のクリスマスセールで購入しました。
戦渦に生きる人々を描いた話にも拘らず、
読み終わったあと、
妙な清涼感、憐憫、透明感ある不思議な物哀しさ
あるいは、これらに似た感情に襲われました。
「似た」と表現するのは、
心を埋め、身体全体を包んだ感情を
なんと呼べばよいのか
未だに見当がつかないからです。
2、3日、ずっとその感情に身を包まれたまま、生活しました。
今も物語に思いを馳せると、心が悲しく、ふと和らぎます。
変ですね。
悲しいのに和ぐなんて。
佳い本に出逢えました。