ストランゴラプレーティ 〜 トレンティーノ・アルトアーディジェから、ひとコマ
クリスマスの小旅行の最後の食事は、
26日聖ステファンの祝日での昼食。
私の住む街への帰り道に通れる
リーヴァ・デル・ガルダ Riva del Garda という
ガルダ湖の北端の町にて。
とあるオステリアで、こちらの一品をいただきました。
その名も、ストランゴラプレーティ Strangolapreti。
または、ストロッツァプレーティ Strazzapreti ともいうようです。
要は、パンで出来たニョッキ。
古くて硬くなったパンを水につけて柔らかくし、
卵、小麦粉、バター、牛乳、オリーブオイルなどと混ぜて、
写真のような形に纏めて、トマトソースと和えたり、
バターとセージのソースを絡めたりして食べます。
私が注文したのは「アッラ・トレンティーナ alla trentina」(トレント風)。
ほうれん草が入っているんです。
美味しくって、一気に食べてしまいました。
メニューの名前の解説:
ストランゴラーレ strangolare (他動) 喉を、息を詰まらせる
プレーティ(複)< プレーテ (名・男) 司祭
次の逸話が名前の由来になるようです。
1700年代。当時の聖職者たちはとにかく飲み食いが大好きで(今も……)、ある食堂に入った時に、この一品を「ウマイウマイ!」と平らげました。食べて食べて食べて〜………喉を詰まらせました。力持ちの運び女が彼の背中に一撃を加え、喉に詰まらせたものを吐き出し、何とか一命を取り留めた聖職者…
プレーテが喉をストランゴラーレ(詰まらせる)ほど食べまくった一品。
ストランゴラプレーティ。
見たままを描写した命名ですね。笑
このように、古いパンをニョッキの形にまとめた品は、
イタリアのあちこちに見られるようで、
フリウリ、ラツィオ、アブルッツォ、マルケ、ナポリ、カラーブリア、シチリア、などに、名前を代えて存在します。
古くなってもパンはパン。
私の住む地方にも、古いパンを使うドルチェがあります。
きっとイタリア全国に、いろんな種類の品々があるでしょうね。
そうだ。
リーヴァ・デル・ガルダ、とってもイイ所でした。
さて、長く続いたクリスマスの行事も、
明日1月6日の公現祭で終わり。
(只今5日の午後5時半)
自宅の飾り付けも取っ払います。
少し寂しい気もしています。