仕事で必要な本を読む以外、
読書らしい読書を少しの間していませんでした。
あれこれ読みかけては、
「……これじゃない……」
と止めることばかり。
読みたいものは山ほどあるのに。
気分が本に寄り添えないといえましょうか。
そんな中、
いつも本屋で手に取っては元に戻していた作家のエッセイ集を、
なんか今回は
「うん、これだ」
と感じ、買い、読み始めました。
いつも本屋で立ち読みした時に感じていた通り。
この人の文章、好き。
今の時期のわたしには、
物語より、
こういうエッセイがいい。
どんなふうにそれまで過ごしていたとしても、
ひとたび文字を目に入れていくと、
彼女の描く世界が生き生きと現れたり、静かに浮かび上がったり。
そこに一瞬で入り込んでしまう。
ナタリア・ギンズブルグ。
彼女が書いたものを読むのは、これが初めて。
日本語では須賀敦子氏の翻訳で多く出ているようです。
同氏の翻訳で読むのも、素晴らしい読感を味わえそうですね。
しかし今は、イタリア語を解すことにありがたみを感じつつ
直接ギンズブルグの文の綴りを、
わたしなりに楽しむとしましょう。
この本とともにちょっと今夜は、
夜更かしします。